人を楽しませるプレゼンへの転換

大学の2つの授業が、私の英語力やプレゼン力の基礎になったと思っています。一つは英語コミュニケーションの授業で、担当がかなり厳しい先生でした。授業のスタイルが論文を授業前に相当読んでから臨まないといけないもので、最初は本当に苦労しました。ただ、授業を受けていくうちに、日常英語やビジネス英語はある程度話せるようになったと思います。もう一つはプレゼンの授業です。プレゼンの授業なのに劇をさせられて、最初は全く意味がわかりませんでした。しかし、授業を受けていくうちに、人を楽しませることが大切だということに気が付きました。もちろんプレゼンのテクニックも、その授業内で教えていただきました。今までのプレゼンから人を楽しませるプレゼンに変わったのは、この授業のおかげだと思います。授業を受けてプレゼン力を磨いていた時に、自分の力がどこまで通用するのかを確かめたいと思い、このコンテストに挑戦してみようと思いました。

聴衆ファーストのプレゼンを目指して

今回、2回目の挑戦でインプレッシブ賞を受賞することができましたが、1回目の経験が生きました。2次予選ではプレゼンを見ていただいた他のプレゼンターの方から、コメントをいただけるのですが、そのコメントの中で「君のプレゼンは面白いのに、アイコンタクトやジェスチャーが少ない。もっと増やしたほうがいい。」といった指摘をいただきました。よく考えてみると、「スクリーンばっかり見ていてアイコンタクトなかったな。ジェスチャーがなかったな。」と思い返して、基本的にスライドを見るのをやめるといった自分ルールを課していきました。その時から聴衆の反応なども直に見ることができるようになり、聴衆の反応を一番に考えるようになりました。プレゼンは自分の判断で良し悪しが決まるものではなく、聴衆が判断するものです。そういった聴衆目線を気にするようになったのは、このコンテストを通して一番成長したところだと思います。

自分の世界に引き込む工夫

私はプレゼンでは聴衆を楽しませることが一番だと思っています。楽しませるというのは、自分のアイデアを伝える上で重要で、そのための雰囲気作りをとても大切にしています。いきなり舞台に登場して、全く知らない人たちの前で、全く知らない人がプレゼンをしたら、おもしろいことを言ってもあまり伝わらないと思います。コンテスト当日も衣装を着ていたのですが、あれも雰囲気作りの一つです。何もしゃべってないですけれど、出てきた瞬間に笑ってくださった方もいらっしゃって、そういうところでも会場が自分の雰囲気になったなと感じました。自分の世界に引き込んだら、あとは自分が楽しむだけです。そういう意味ではインプレッシブ賞をいただけたのは嬉しかったです。ただ、楽しませるだけになっていて、真剣に伝えないといけないところが甘く、本当に伝えたいことが100%伝えられたかというと、そうではないと思います。そこが私に欠けていたところだと思います。あとは、質疑応答がうまく回答できなかったことが反省点です。

コンテストを終えて

インプレッシブ賞だったことは正直心残りではありました。しかし、今では逆にそれでよかったと思っています。優秀賞以上の賞をいただいていたら、さらに上を目指そうとも思わなかったと思うので、自分がさらに成長する、いいきっかけになりました。今年、私はアメリカ留学に行っていて、今まで関心を持たなかった映像や美術の勉強もしているのですが、そのおかげで自分の視野が広がりました。現時点では、具体的に将来にやりたいことが決まっていませんが、間接的に人を楽しませるような仕事ではなく、私自身が直接人を楽しませることができるような仕事に就きたいと思っています。