それぞれのやり方で培った英語力

(坂寄)私は3、4歳のころから、自宅から米軍基地が近かったので、ネイティブの方の英語に触れてきました。文法は弱かったですが英語に対する抵抗感はありませんでした。もともと人見知りな性格でしたが、海外の明るい方と接したことでオープンマインドな性格になっていったと思います。
(田島)僕は父がイギリス人なので、昔から「英語ができて当たり前」という風に周りから見られていました。実際は、幼いころから東京暮らしで、英語の勉強は中学に入ってから本格的に始めたので、他の人とスタートラインは同じだったのですが。悔しくて、「一番になろう」という気持ちで、中学に入ってから、文法や語彙を重点的にひらすら正攻法の勉強をしてきました。

空から舞い降りたアイデア

(田島)大学でプレゼンテーションコンテストのポスターを見つけ、「自分に対する客観的な評価が得たい」との思いから、参加を決めました。個人ではなくグループで参加する方が、社会に出たときにプラスになるのではないかと考え、同じゼミに所属し、クラスメイトでもある坂寄さんを誘いました。
準備する上で、構成を考えるのが一番大変でしたね。僕は理詰めで何でも言うタイプ、彼女はあまり言わないタイプだったので、齟齬が生まれることもあり、1度、突き詰めた案がボツになったことがありました。紙に互いの案を全部書き出し、可能な案を取捨選択し、もう一度テーマを決め直して。最初は自分たちの専門外の分野でテーマを考えていたのですが、最終的には、環境や経済など自分たちが学んでいる部分で何ができるかを考えました。
テーマが決まってからも、日本伝統の「風呂敷」をどう買い物袋にするか、で再び立ち往生しました。ジッパーを付けるという案もありましたが、そしたらただのリュックじゃないか、と。家に帰って椅子に座って悩んでいたところ、ほどけたズボンの紐を結んだ時にパッと思いついたのが「WRAPPI」でした。
(坂寄)本番で使った「WRAPPI」は私が縫って作りました。鎌倉の茶道をしている方を訪ね、「普段風呂敷を使っていて不便なことはありますか」と聞いて回ったり、東京駅の風呂敷屋さんを尋ねていろいろ素材を見せてもらったり、本当にいろいろな方にお世話になり、完成しました。

ユーモアを取り入れ観客を魅了

(坂寄)旬のお笑いのネタを取り入れたのは、観客を飽きさせないようにするためです。10分間って、観客にとっては長いなと。まじめな大会ですが、真ん中に笑えるくだけたシーンがあれば、そこからまた集中してもらえるのではないかと思い、WRAPPIの強度を表現するためにペンとパイナップルを使いました。

参加すること自体に意義がある

(坂寄)プレゼンテーションコンテストを通じて、自分の強みって何だろうとか、どういうポジションでどういう行動を取るのがベストか、常に頭を使って考えていたので、それはきっと将来に生かされる経験になったと思います。最終的に、ターゲットの求めるものを考えながら戦略を立てていくことが、自分の好きなことだと実感できたので、就職活動における業種選定にも生かせました。優勝を目指して努力することも大事ですが、同じくプレゼンテーションを練習してきた多くの学生との出会いがあり、参加すること自体に大きな意義があると思っています。
(田島)僕は、グループで何かをやることの難しさ、互いの気持ちを考えて歩み寄ることの大切さを学びました。意見を出し合う必要があったので、ディスカッション力も身につきました。何より、自分が努力してきたこと、構築してきた能力が評価され、英語のみならず論理的な思考力やプレゼンテーション力など総合的に客観的な評価をいただけたことが、自信になりました。プレゼンテーションコンテストは、自分の未来をプラスの方向に変えていく、チャンスになるはずです。