マーケティング最前線!

マーケティング最前線!

「おにぎり」ブーム!おにぎり専門店「ぼんご」は最大8時間待ち?!そもそも「おにぎり」と「おむすび」の違いは?

2024.08.06

「おにぎり」ブーム!おにぎり専門店「ぼんご」は最大8時間待ち?!そもそも「おにぎり」と「おむすび」の違いは?

日本人の「ソウルフード」(伝統料理)の「おにぎり」が、国の内外で人気を博しています。おにぎり人気の背景、8時間待ちのおにぎり専門店「ぼんご」、「おにぎり」と「おむすび」の違い、「おにぎり」の効能/メリットなどを整理してみます。

高校生「これから流行しそうだと思う食べ物」第1位は「おにぎり」!

全国の高校生を対象に「LINEリサーチ」(LINEヤフー株式会社、2024年4月22日)が実施した調査で、「これから流行しそうだと思う食べ物」の第1位が「おにぎり」(2割弱)となりました。

その理由として、次のようなものがあげられます。

-おにぎりは専門店もあり、ショートなどでもよく見かけ、食べたいって思うから(高1男子)

-最近のコンビニエンスストアなどでレベルが高くなっていると感じ、インスタグラムなどでもレシピが多く流れてくる(高1男子)

-国外でも人気があり、バリエーションも多いから(高3女子)

-おにぎり専門店をよく見かけるしコンビニでも色々な種類のものが売られている(高1女子)

「おにぎりの具ランキング」No.1は「ツナマヨネーズ」

同じくLINEリサーチが発表した「おにぎりの具ランキング」(対象:10代~50代男女、2021年6月)では、全体1位が「ツナマヨネーズ/ツナ(シーチキン)」。第2位が「明太子/からし明太子」、3位、4位に「しゃけ(鮭)」、「梅干し」がランクイン。ちなみに高校生を含む10代では、1位から3位が順番に「ツナマヨネーズ/ツナ(シーチキン)」「しゃけ(鮭)」「明太子/からし明太子」。また、おにぎりに巻く海苔は「しっとり派」よりも「パリパリ派」が圧倒的に多いことが明らかになりました。

そもそも、こうした調査結果の基本前提として、「おにぎり」が、とても身近な存在として、私たちの日常のフードライフの中に広く浸透していることがうかがえます。

TBSテレビのニュース番組「Nスタ」でも、「8時間待ちの店も/おにぎり専門店人気のワケ」(2023年9月14日)の特集が放映されました。

おにぎり店舗は「省スペース」で出店可能!

その中で、「おにぎり専門店がいま急増している理由」について、ホットペッパーグルメ外食総研の有木真理所長の次のような分析が紹介されました。(1)省スペースで出店が可能、(2)少ない設備で出店が可能、(3)職人がいらない(木製枠型や機械化で形や味が安定)、(4)お米の価格が比較的安定している。店舗経営の低コスト性や効率的なオペレーションの面でも、メリットがあることがわかります。

さらに、同番組は「値段がちょっと高くても…専門店が人気な理由」を深掘りしています。一般社団法人おにぎり協会の中村祐介代表理事によれば、美味しいおにぎりをコンビニなどで買う時代を経て、特に、コロナ禍からはコンビニ各社が「高級おにぎり」を市販。そうした高級おにぎりを食べた人が「おにぎりにお金を使ってもいいな」と思い始め、「おにぎり専門店」に足が向かっているようです。

前述の有木所長によると、デジタル時代を反映して、「SNS映え」するおにぎりも増えていて、画像や動画が世界的に拡散され、外国人旅行客の誘引にもつながっています。くわえて、「宗教上の理由」で食材に制限のある人やヴィーガン(完全菜食主義者)の場合でも、おにぎりの具材が豊富で選択肢が多様なために、手に取りやすいという点も評価されているとのこと。

打楽器「ボンゴ」のように名前がとどろく!8時間待ちのおにぎり専門店「ぼんご」

同番組では、東京?豊島区のJR大塚駅前にある、おにぎり専門店「ぼんご」(1960年創業の老舗)が紹介されました。こだわりの1つが「新潟県産コシヒカリ」を使ったおにぎり。ピーク時には、「6~8時間待ち!」もあるそうです。ちなみに、店名の「ぼんご」は打楽器のボンゴに由来。ボンゴの音が遠くまで響くように店名も遠くまで響き渡りお客様に来ていただきたいという思いが込められているとのこと。

「ぼんご」のおにぎりは1個350円から650円と、価格は比較的高め。それにもかかわらず人気となっている理由が、多様な具材。顧客の要望に応えるうちに次第に増え、創業当初20種類ほどだった具材の数は今や57種類と3倍近くに増加。さらに、具材の増加が、おにぎりの「SNS映え」につながったことも、もう一つの重要な人気要因。

「ぼんご」人気No.1おにぎりは「卵黄+肉そぼろ」

情報サイト「MONOQLO by 360 LiFE」(2024年5月4日)が発表した「ぼんご」の人気おにぎりトップ3を紹介しましょう。

第1位が「卵黄+肉そぼろ」。一般家庭では到底再現できない匠(たくみ)の技。肉そぼろにコクを加える卵黄の漬かり具合と、肉そぼろの脂の切り方が秀逸。ご飯のもっちり感と甘み、ふんわりした握り具合、海苔のパリパリ感と、「汁気が適度にあるのに崩れない」極上おにぎり。後味がサッパリしていて食べ飽きず、2個は食べられるとのこと。

第2位が「さけ」。同店にしては固めのおにぎり。口の中でふんわりとほどけます。旨みたっぷりで適度な塩みの鮭。塩辛くなく、ご飯本来の甘みを引き立てます。通常の鮭のおにぎりとは、まったく異なる味わい。

第3位が「明太マヨクリームチーズ+高菜」。明太子の旨み、あとから醤油につけたクリームチーズのコクが口の中で広がります。その余韻を高菜のピリ辛が引き締める。ご飯の甘みと粒感、海苔のパリパリ感と香り。この計算し尽くした、おにぎりのプロによる「合わせ技」は感動ものです。

前述のTBS「Nスタ」の中で、2代目店主の右近由美子氏の次のようなコメントが紹介されています。(おにぎり専門店の出店が相次いでいることに対して)「美味しいおにぎり専門店がもっと増えれば、お客さんは8時間も並ばずに食べられるから、私はそのほうがありがたい」。右近氏のお客様第一主義の「懐の深い」経営哲学が印象的です。

「おにぎり」は「鬼切り」、「おむすび」は「お結び」

さて、ここまで「おにぎりブーム」やおにぎり専門店「ぼんご」の人気について見てきましたが、ここで素朴な疑問がわいてきます。

そもそも、「おにぎり」と「おむすび」という言葉は、どう違うのでしょうか?「マイナビニュース」の記事(2020年10月30日)にもとづき説明しましょう。

実は意味としてはまったく同じで、「おにぎり」と「おむすび」は類義語です。

まず、おにぎりは鬼を切ると書いて「鬼切り」、おむすびは「お結び」からきたという説が存在。昔、鬼退治に握り飯を投げつけた民話に由来し、魔除けや厄払いの効果があると伝えられていました。一方、「お結び」は、人と人との良縁を結ぶという意味から縁起が良いものとされていたようです。

また、昔の日本ではおむすびを神様へのお供え物にしており、古くから山を神様に見立てる風習があったため、三角形の山のような形の握り飯を「おむすび」と呼んでいたという説もあります。一方のおにぎりは、特に形に決まりはなく「握り飯」からおにぎりに呼び名が変化したとも言われています。

コンビニ各社でも、「おにぎり」「おむすび」の使い方が異なる?

コンビニごとに商品名が異なっているのも興味深い現象です。ファミリーマートの商品名は主におむすびで、ローソンの商品名は主におにぎり。セブンイレブンでは区別されており、食べる直前で海苔を巻くものをおにぎり、それ以外の商品はおむすびという名前がついています。

さらに、地域によって呼び名の違いがあります。おにぎりの方が一般的な名称ですが、東日本ではおむすび、関西方面ではおにぎりと呼ばれているとも言われています。その逆に東日本ではおにぎりで、西日本ではおむすびと呼ばれていた逆の説もあるようです。

あるいは、庶民たちが「おにぎり」と呼んでいたのを、貴族の女性たちは上品な日本語で「おむすび」と呼んでいたという説もあります。くわえて、握り方による違いでも呼び名が異なるようです。おにぎりは手で握るもので、おむすびは笹の葉など何かに包んで作ったものという説もあります。

以上のように、「おむすび」と「おにぎり」が類語とはいえ、その歴史、文化/風習、地域によって、使われ方が異なる点に、興味がかきたてられます。

「おにぎり」は究極の「モバイルフード」

最後に、食情報サイト「ishokudogen」や「ごはん彩々」にもとづき、おにぎりの効能(メリット)を確認しておきましょう。

(1)携帯食として持ち運びに便利(究極の「モバイルフード」)、(2)作り置きも「OK」、(3)消化吸収が緩やかで腹持ちが良い、(4)お米は良質な炭水化物であり重要なエネルギー源、 (5)自然と咀嚼(そしゃく)が増える。

(6)冷えると増えるレジスタントスターチ* (7)食事量のコントロールがしやすい (8)相棒の海苔でバランスアップ、(9)おかず、ごはん、汁物と、順番に規則正しく(「三角形」のように)食べる「三角食べ」向き。

*ご飯が冷めると、炭水化物の一部が食物繊維に似た働きをする 「レジスタントスターチ」(難消化性デンプン)に変化。冷えたおむすびを食べることで、 このレジスタントスターチの働きにより消化吸収が緩やかになり、 血糖値の上昇を抑え肥満を予防。

以上のように、「おにぎり」の効能の多さは、瞠目(どうもく)に値します。

寿司、天ぷら、すき焼き、たこ焼きはいうにおよばず、日本人の「ソウルフード」(伝統料理)である「おにぎり」の内外での人気。日本の食文化ブームの拡大に、商機を見出しているビジネスパーソンも少なくないことでしょう。

神田外語キャリアカレッジ > ブログ > マーケティング最前線! > 「おにぎり」ブーム!おにぎり専門店「ぼんご」は最大8時間待ち?!そもそも「おにぎり」と「おむすび」の違いは?
KGCCのプログラム澳门葡京赌城_澳门网投平台-【在线*游戏】