日本語研修:お役立ち情報

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外国籍社員を受入れるための企業側の準備と心がまえは?研修方法もご紹介

2021.10.12

企業で外国籍社員を受け入れる際には、さまざまな準備が必要です。ビザや法的な手続き、住む場所の確保、日本語や日本のビジネスマナーを学んでもらう研修の企画?実施、慣れない生活面でのサポートなど、挙げればきりがありません。そのなかでも、外国籍社員を受け入れるうえでの心がまえや注意点と、外国籍社員の研修方法についてお伝えします。

外国籍社員を受け入れるうえでの心がまえ

外国籍社員を受け入れる際、受け入れ側である企業は仕事面や生活面において、さまざまなサポートを行います。

日本人社員と、日本文化の理解が深まっていない外国籍社員との間には、ものごとに対する考え方に開きがあり、ときにはトラブルが発生するケースもあります。誤解やトラブルを避けて、外国籍社員に活躍してもらうために、受け入れる側は次のような心がまえをしておくことが大切です。

  • ステレオタイプに考えない外国籍社員でも、出身国によって文化や考え方はさまざまです。「外国籍社員はこういったもの」とひとくくりで考えず、一人ひとりの出身国や文化背景、生活習慣などをあらかじめ理解しておくといいでしょう。事前に知ることによって、コミュニケーションスタイルや行動が理解しやすくなります。
  • 文化の違いから起こるトラブルを予想し、未然に防ぐ対策を考える例えば、名刺交換ひとつとっても、日本と外国では習慣が異なります。日本では一般的に両手で丁寧に受け渡しするのがよいとされていますが、片手で気軽に受け渡しする国もあります。受け入れる外国籍社員がそのような習慣を持つ国の出身で、大切な取引先を不快にさせるようなことがあれば大変です。片手で受け渡しすることを頭ごなしに否定せず、まずは相手の文化への理解を示します。そのうえで、日本での名刺交換の習慣を伝えれば、トラブルを未然に防げるでしょう。
  • 外国籍社員に対する研修の内容を吟味し、計画をよく練っておく外国籍社員には能力を最大限発揮してもらい、企業の成長につなげなければなりません。そのためには、日本語研修や異文化理解、ビジネスマナーなど、外国籍社員に受講させる研修プログラムの内容をしっかりと練っておく必要があります。可能であれば出身国別やレベル別などに研修内容を分けて、各自が学びやすい環境をつくると、より高い効果が見込めます。

外国籍社員受入れ研修の概要

一般的な外国籍社員の研修プログラムには以下のようなものがあります。ニーズに合わせてこれらの研修を組み合わせながら、日本で仕事をするうえで必要な知識やスキルを身につけさせます。実際に研修を行う際には、研修を受ける外国籍社員の日本滞在歴や日本語能力、不足しているスキルなどを考慮して、学ぶ順番や内容を設定するとよいでしょう。主な研修例を紹介します。

  • 生活マナー日本での滞在が初めて来日してから日が浅い外国人が対象。日常生活で困らないように、日常的によく使われる日本語表現や交通機関の利用法、ごみの出し方などを学ぶ。
  • ビジネスマナー/異文化理解日本のビジネスマナーや日本文化について理解を深める。
  • ビジネス日本語日本のビジネス慣習の理解、ビジネスで使われる日本語表現や敬語などの学習を通して、実践的なコミュニケーション力を身につける。
  • 外国籍内定者?新入社員研修日本での仕事への取組み方、ビジネス用語やビジネス慣習等、日本人の仕事の考え方や姿勢などを学ぶ。

上記の研修の内容や進め方、注意点、研修の効果については、以下の記事で詳しく説明しています。

「外国籍社員の受け入れ研修、課題や必要な準備?プログラム例を紹介!」

外国籍社員受入プログラムのご紹介はこちらの記事をご覧ください。
→ 外国籍社員受入れ

日本語研修 事例のご紹介はこちらの記事をご覧ください。
→ 外国籍内定者?新入社員研修/安藤?ハザマ様
→ 日本語マナー研修/ケリーサービス(パーソルコリア)様

外国籍社員受け入れ側の注意点

「外国籍社員を受け入れるうえでの心がまえ」でもふれたように、外国籍社員を受け入れる際には、受け入れる側の心がまえが大切です。さらに詳しく見ていきましょう。

  • 日本のハイコンテクスト文化と、海外のローコンテクスト文化の違いを認識する日本は、言葉以外の状況や背景を「察する」ことでコミュニケーションが成り立つ「ハイコンテクスト(high-context)」文化の国といわれます。一方、欧米では、言葉ではっきり伝えないと伝わらない「ローコンテクスト(low-context)」の傾向があるとされています。ローコンテクスト文化においては、日本的な「以心伝心」「阿吽(あうん)」のようなコミュニケーションは通じないことを理解しなければなりません。外国籍社員に指示を出すときには、「察してもらう」ことを期待せず、「こういうときには、こうしてほしい」「このタイミングでこれを持ってきてほしい」と、言葉ではっきりと伝えることが大切です。
  • 相手の立場に立って考えてみる外国籍社員に限ったことではありませんが、良好な関係を築くには、相手の立場に立って考えることが大切です。文化の違いから外国籍社員が意外な行動をとっても、頭ごなしに否定せず、「もし相手の国に生まれ育ったら、どのように行動するか」という視点で捉え、理解を示しましょう。その上で日本でのマナーを伝えるといいでしょう。
  • 外国籍社員の「なぜ日本ではこうするのか?」という疑問に答える受け入れ研修を進めていくうちに、外国籍社員が日本の慣習について疑問に思うことが出てくるかもしれません。機械的に「日本のしきたり」を教えるのではなく、なぜそのようになっているかの文化的な背景や理由も伝えるようにしましょう。理由が理解できれば、納得して、必要なマナーを覚えやすくなります。
  • 個々の事情に応じたサポートを行う日本での生活や仕事について教える際には、単に「日本での生活や仕事では、こうするのが一般的」と伝えるだけでは不十分です。一般論では実状と合わないケースがあるからです。実際に生活や仕事で困っていることを外国籍社員に率直に話してもらい、それぞれの事情に応じた細やかなサポートを行いましょう。
  • 研修?実務の流れで設定するなるべく早く日本での生活や仕事に慣れてほしいという思いから、研修にあれもこれもと一度に詰め込まないようにしましょう。研修で学んだことを実務や職場で活用する、逆に、実務での疑問や課題を研修でフォローするという流れを作るとしっかり研修内容が身につき、効果的です。研修後、放置せず何らかのフォローをするのがポイントです。

受け入れ側の姿勢で外国籍研修の成否が分かれる

ビジネスのグローバル化や労働人口の減少など、さまざまな理由から外国籍社員を採用する企業は増えています。彼らの能力を最大限生かして企業の成長に結びつけるには、前述したように、受け入れ側の環境を整えておく必要があります。

また、できるだけ早く日本の生活や仕事に慣れて、能力を発揮してビジネスで活躍できるよう、外国籍社員向けの研修を実施することが大切です。研修では、企業の状況やニーズに応じて、日本語や日本のビジネスマナー、文化についても効率よく学べるようなプログラムを組む必要があります。また、同時に日本人社員向けの英語研修や異文化理解研修を行えば、いっそうの成果が期待できます。

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