仲代表の「グローバルの窓」

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第13回 “Family day at the foot of the Alps” ~アルプスの麓で家族の日~

2021.11.15

NECドイツでは、毎年、社員の家族のための「Family day」が開催されました。夏、国境近くのオーストリアアルプスの麓(エルマウ村)の小屋に集まり、ゲームをしたり、運動したりして一日を過ごしました。独身の人は恋人といっしょ、既婚の人は子供連れで参加しました。日本から出張者がいるときは、出張者の方にも参加いただきました。アルプスから吹き下ろす風はさわやかで、社員の親睦をあと押ししてくれました。

日頃はビジネスディスカッションで厳しいことを言ってくるドイツ人もこの日ばかりは笑い顔ばかり。飲み物はもちろんビールが主役です。ピルツビア(琥珀色)とヴァイスビア(白ビール)、それからドゥンケルビア(黒ビール)の3種類が用意され、意外と甘めの白ビールが人気でした。フルーティーな味わいが受けるのでしょうか。ある商社の方は、白ビールに感動して、「これは日本でも絶対受ける。輸入して日本で販売したい」と興奮されていましたがどうなったでしょうか。この前、スーパーで缶入りの白ビールを見つけましたが、スーパーで売られるようになったのは最近のことではないかと思います。

南ドイツでは、炭酸入りのミネラルウォーター(“Wasser mit Gas(ヴァサ―ミットガス)”)を好む人が多かったのですが、私は、最初は飲めませんでした。味がなくて全然おいしくないのです。それからジュースでは、Spetzi(シュペッツィ)“というコーラに炭酸オレンジを混ぜたソフトドリンクが人気ありました。シュペッツィは他の欧州の国ではほとんどお目にかからなかったので、ドイツが主流の飲み物かもしれません。

食事はソーセージ、じゃがいも、酢キャベツがメイン。これらがあればドイツ人はだいたい満足のようです。他には、南ドイツ料理のレバーケーゼ(ひき肉、香味野菜、スパイスを蒸し焼きにしたもの)もありました。ただ、ドイツ料理はたまに食べるくらいがちょうどよく、すぐに飽きてしまいます。日本から初めてドイツに出張に来た人は、ほぼ全員がドイツ料理を食べたいと言うので、仕方なくドイツ料理店へ連れて行きましたが、何度も出張に来る人には、「今日は中華、イタリア、日本料理のどれにしますか」と最初からドイツ料理を省いて訊ねます。出張者もそこは暗黙の了解、「中華かな」と答えてくれます。

さて、“Family day”の場所は、毎年、国境を越えたところに位置するエルマウ村でした。ミュンヘンからオーストリアの国境まで車でだいたい1時間ほどの距離です。ザルツブルグに向かうアオトバーン(高速道路)に乗り、途中、分岐点を南に下るとエルマウ村に着きます。当時はまだ西ドイツの時代でEU誕生前でしたので、パスポートは必携でした。

エルマウ村にはスキーでもよく行きました。残業続きの毎日で、土曜日はだいたい12時まで寝ていましたが、ダッシュで支度して、13時に家を出発。スキー場には14時に到着。そのあと、リフトが終わる16時まで2時間しかありません。しかし、日本とちがってリフト待ちがほとんどないので、目一杯滑ることができました。

このように、夏は“Family day”、冬はスキーということでエルマウ村には何度か行きました。ミュンヘンはアルプスが近く、イベントやプロモーションを企画するのにありがたい土地柄です。今振り返れば、当時は残業続きで、週末も仕事中心の生活でしたが、プライベートでもドイツ人ともっと関わっていたら豊かな生活が送れたかなと思います。その反面、会社のイベント等で多くの貴重な経験が積めたことはありがたかったとも思います。

次回はイタリアへ移ります。


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