認定NPO法人テラ?ルネッサンスの鬼丸様をお招きし、国際エアライン科の学生を対象とした講演会を行いました。
鬼丸様は大学4年生の時、初めて訪れたカンボジアで地雷原を訪問する機会があり、そこでの経験がテラ?ルネッサンスの設立につながっているそうです。
現在では、カンボジアの地雷被害者支援にとどまらず、コンゴやウガンダでの元?子ども兵の社会復帰支援、日本国内で平和教育のための講演活動など、幅広く活動しています。
講演会では、ウガンダやコンゴでの活動内容について、実際の事例をあげながら写真と共にお話しいただきました。
私たちが日常で目にする記事やニュースでは伝わらないこと、日本人の認識にないような事柄などが多く、鬼丸様のお話に学生たちはどんどん惹き込まれていきました。
「アフリカ諸国」と聞くと、「日本よりも貧しい国」といったイメージがあるかもしれませんが、それはあくまでイメージであり、通信などはむしろ日本より進んでいる地域もあるなど、急速に成長している部分が多くあるそうです。このお話が、今回の講演会の大切なキーワードである「思い込みを外す」につながっていきます。
私たちは日々生活をする中で周りの影響を受けやすく、何気なく見聞きした情報の影響を受け、そこからうまれた「思い込み」で周りを見ている面が多いようです。それは世界に対しても社会課題に対しても共通する部分があり、「思い込みを外す」という作業は物事の本質を見極めるうえで大切になります。
2004年頃鬼丸様が初めて現地を訪れた時の地域マップをもとに、危険度や格差など現地の内情を聞きました。
鬼丸様が初めてウガンダの内情を知ったのは2003年頃。
きっかけはカンボジアでの地雷除去の活動中に、地雷の被害者の中で内戦時に子ども兵だった方に出会ったことでした。
何とかしたい、自分にできることはないかと考えた鬼丸様は、日本国内でこの問題を支援している団体がないことを確認した後、ウガンダ北部での支援を始めることにします。当時のNPO団体の先輩から「問題は推測で解決したことはない」と言われ、現地に行き確認することの必要性を改めて感じたそうです。
「子ども兵という問題は何なのだろう。彼らはどのような苦しみや悲しみを抱えているのか。」そういった思いを抱きながら、まずは現地に行って話を聞くことから始めました。
現地では8人の子ども兵と会い、多くの話を聞いたそうです。実際に聞く話は悲しく悲惨な話ばかり。しかし、鬼丸様は一緒に悲しみに沈むのではなく、一人ひとりと向き合い、悲しみを受け止めることにしたそうです。
悲しみを受け止めるために必要なのは、優しさであり温かさ。この子供たちには、優しさや温かさにたくさん触れてもらうことが大切なのではないか、鬼丸さんはそう考えたそうです。
学生たちは、真剣なまなざしで聞き入っていました。
コンゴで実際に起こっている内戦や紛争の原因は、政治や宗教の対立だけではありません。
携帯電話や電化製品などに使われているレアメタル(※注)、貴金属や宝石に使われる金やダイヤモンド、重要なエネルギー資源であるウランや石油など、私たちの生活にとても重要な資源がコンゴに豊富に埋蔵されており、それらの資源を巡っても各国が争いを起こすのです。
(※注)レアメタルは、埋蔵量が少ないか、技術やコストの面から抽出が難しい金属の総称。経済産業省の定義ではニッケルやコバルト、インジウム、クロムなど31鉱種が対象となる。ステンレスなどの基礎材料のほか自動車、ハイテク産業などに幅広く使われる。新興国の経済発展に伴い需要が急速に増し、争奪戦が激しくなっている。
この争いの原因となる資源を使っているのは私たちです。
「誰のために支援をしているのか、何のためにこの活動をしようと思ったのか、今やっている活動の意味や価値は何なのか。」
鬼丸様もわからなくなった時があったそうです。
「とにかく、できることは考え続けることでした。考え続けることは、今できなくても諦めることではなく、とにかく考え続けることで、ふさわしいタイミングで支援ができる。考え続けるうちに、自身のできることも増えていくはず。」
「今使っているものに、どこのどんな資源が使われているのだろう、そういう意識でものを買うようになる。一人一人の意識が変わり、買うものが変わったり、ものを大切にするようになれば、少しずつでも良い方向に改善していく。そういうささやかな行動が変化を生み、やがて世界に変化をもたらすはず。」
「私たちは微力ではあるが、無力ではありません。私たちの生活の中に様々な原因があるからこそ、私たちの変化が世界の変化につながっていきます。」
「私たちが声を上げることにより、社会が変わり、世界が変わります。」
なかなか自分から発言をしたり、行動を起こすのが苦手な方も多いかもしれません。
そんな中で鬼丸様は私たちに多くのメッセージを送っていただきました。
鬼丸様は、学生たち一人一人が分かりやすいよう日常生活の出来事に置き換えて、また情熱あふれる語り口でお話していただいたこともあり、学生たちは感銘を受けた様子でした。
学生たちは今までと違った視点でものを見たり、考えるようになるでしょう。今後の就職活動にも活かされるはずです。
この講演会がきっかけとなり、『少しでも行動を起こそう』と考えてくれる学生が一人でも増えることを期待したいです。
お忙しい中、講演していただきました鬼丸様、本当にありがとうございました。
以下、学生たちから寄せられた心に残った言葉や感想です。(一部抜粋)
?セミナーで心に残った言葉
「思い込みを外す。悲しみに沈み込まない。考え続ける。微力だが無力ではない。知ることは物事の始まり。」
「右目で悲しんで左目で原因や仕組みを見る。楽しいこと、優しさ、美しいことにも触れる。」
?セミナーを聞いて感じたこと、感想
「安全な日本に生まれ育って、専門学校で勉強できている自分がいかに幸せか改めて感じた。」
「声を聞いているだけで、鬼丸様の本気が画面越しにて伝わってきました。」
「心に残る言葉が多くあり、たくさん考えることができました。」
「このような機会がないと知らなかった子ども兵や内戦問題など世界の現状がたくさん知れて、今起きている現実と向き合ういい機会になった」
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