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フリーランスの英語教師 醍醐味を語る

こんにちは。1998年にスペイン語学科を卒業した菅野です。現在フリーランスで英語を教えています。僕のブログをクリックしてくれてありがとうございます。変わった人間ですので変わった内容になるかと思います。ぜひぜひ最後までお読みください。

90年代の自由なキャンパス。先生も学生も

当時の神田外語大は本当に自由な場所でした。「自由」というのは「学生が好き勝手やっていた」という訳ではありません。「世代や国、文化や人種の異なる先生方が、自分の主義主張をシェア出来る環境だった」という意味です。当時は日本中の、もしかしたら世界中の大学が同じように自由で「あの時は良かった」と思う人も多いかもしれません。

お世話になったスペイン人の先生はフランコ体制下、医者の家に生まれました。1975年まで「独裁国家」であったスペインで幼少期を過ごした先生から、「フランコ独裁、良い時代だったよ。」と聞いた時の衝撃はメガトン級でした。

一方、若いバスク人の先生とのご縁もありました。寡黙な方でしたが、全く違う考えを持っていました。ハッキリ言ってフランコが嫌い、そもそもスペイン(カスティーリャ地方)が嫌い、ワールドカップでスペイン代表を「押す」気には到底なれない。歴史の教科書を開くより、「生の緊張感」を先生方の話から肌で感じられるキャンパスがそこにはありました。

そんな校風を反映しているからか、学生もかなりユニークでした。なんとアイヌ語まで勉強していた、「超」のつく言語オタクの学友がいました。ある時、「地名はずっと変わらない」という話題で、彼から「江戸は元々「エット」と発音した、漢字は後の人間が適当につけた」と教わりました。後にマンハッタンが昔は「マネハタ」と呼ばれていたことを知って、「あ、江戸と同じだ」と思いました。

皆さんと共通点も相違点もあるとは思いますが、私が在籍した当時の自由な雰囲気、伝わりましたでしょうか?

気がついたらフリーランスに

今、私はフリーランスで英語を教えています。「何でフリーランスになったんですか?」とよく聞かれます。実はちょっと困る質問で、なぜって「理由」が無いからです。そもそも予定していなかったし、他に選択肢もありませんでした。とにかく英語とスペイン語の勉強が好きで、気がついたらこの仕事をしていました。

「フリーランスで英語を教え続ける理由は?」とも聞かれます。これには明快な理由が3つあります。

■(自分の)語学の勉強になる
■生徒さんから色々教えてもらえる
■暇な時間がない

最初の2つはセットです。目下、色々な方々とご縁があり、子供から大人、文房具屋さんから大学の教授まで多種多様、毎日が異文化交流です。相手ごとに特化したレッスンを提供したいので、日々勉強です。そういった意味で生徒さんは先生でもあります。知識が深まるのは生徒さんのお陰で、本当にありがたいことです。

今でこそ「相手に合わせたレッスンを提供する」のは当たり前になりましたが、若い頃にはできないことでした。「教えている自分のやり方に合わせるのは当たり前」と思っていましたから、相手のお仕事には関係なく「これをやりなさい」というやり方でした。歳とともに少しずつ、自分に合わせることから相手に合わせることへと考えが変えられていきました。

最後の理由「暇な時間がない」はどういうことかというと、教える仕事は「準備」と「レッスン」、「勉強」の3本立てです。毎日がその繰り返しです。準備中、レッスン中、勉強中は暇がありません。過去に2年だけオフィスワークの経験があります。ときどき、たまに1日中、何も仕事が無いことがあり、それが一番辛かったのを覚えています。僕の今の仕事には所謂「ダウンタイム」がありません。忙しいのが好きなので、本当にラッキーだと思います。

教えるうえでの苦労と醍醐味

僕は英語を教える仕事を「サービス業」と位置付けて、「生徒さんに楽しんでもらいたい」をモットーに働いています。生徒さんが嫌いなことは基本的にしません。ディズニーに興味のない方にミッキーの話はしませんし、スポーツに興味のない方に大谷選手の話はしません。「好きなことだけ勉強させて大丈夫?ちゃんとできるようになるの?」とよく聞かれます。

5歳から教えているR君、今年高校に入学しました。彼は生き物が大好きで、教え始めたころから大人顔負けの知識がありました。「よし、生き物で行こう。」と方針が決まりました。カバ、蝉、クジラ、ハイエナ、鮭、フンコロガシまで、毎月取り上げる生き物を変えました。「脱皮」、「変態」、「擬態」、「腐食動物」、「昼行性」と生態を取り上げてみても、面白いように単語を覚えました。

凄まじい吸収力でしたが、飽きっぽい面もありました。そのため「準備」は本当に大変でした。教材は全て手作り。BBCやナショナルジオグラフィックを参考に、英文で物語を書き、いざ本番。「R君、今日は飽きないで最後まで頑張ってくれるかなぁ…」毎回胸の中は不安で一杯でした。なんだかんだで10年が経ちましたが、この辺が「教えるうえでの苦労」かな、と思います。

R君だけでなく、僕はこの生徒さんごとの「準備」に全てをかけます。これはとても大変でクタクタに疲れます。でもこの「準備」の蓄積が今の自分を支えてくれています。

大切なことを書きますと、苦労の裏には「楽しみ」があります。R君の場合であれば、「いい物語が書けた。これで楽しんでもらえるかな?」といった期待感です。楽しんでもらえると苦労は報われます。

「英検や高校に合格した」と聞くと、更に報われた気持ちになります。小さな「楽しみ」かも知れませんが、「遣り甲斐」があれば人は頑張れるもの。そうして相手の立場に立って作り上げてきた日々こそが、間違いなく今の自分を作ってきたとその醍醐味を感じています。?

フリーランスとして大切にしていること

僕は周りの人は全て「大事なお客様」だと思っています。予想もしないところからお仕事の話をもらうことがあるので、段々とそんな風に考えるようになりました。偶然知り合った方から、「今度うちの息子をみてくれないか?」と言われたり、「今度会議で通訳をしてもらないか?」とお願いされたり。

フリーランスになると自分の顔が「看板」です。仕事の日もそうでない日も、人に会う時は「なんか面白そう」、「話が分かり易いな」、「何となく信頼できそう」と思われるように一生懸命ふるまっています。SNSは使っていません。毎日色々なところへ出向いて、人と会う機会があって、何もせずここまで来ています。

オン?オフを気にしないタイプの僕にはピッタリなやり方ですが、誰にでもそうとは限りません。「切り替えが大切」という方は、自分流のフリーランス道を上手に確立してください。

その瞬間、瞬間は嫌な気分になりますが、「失敗」は本当に人を成長させてくれる大事な経験です。20代、30代の頃の僕は、気位だけ高くて謙虚さゼロ、準備はいい加減、言動はかなり無責任でした。仕事は失敗の連続でした。ただそこから学んだことが一つあります。それは失敗した時に「人のせいにしない」ことです。

「僕は悪くない。悪いのはアイツだ。」という気持ちになってしまうと、自分の欠点が見えないだけでなく、相手の立場も慮ることができません。

ある本に書かれていた「自分の欠点を知り、相手の気持ちが分かると商売でも恋愛でも必ずうまく行く」という一節、読んだときは半信半疑でしたが、失敗を通して本当の話と実感しました。

今これを読まれている若い方は、たとえ毎日失敗しても「当たり前」だと思って、頑張ってみてください。自分と相手を捉え直す。そこには必ず自分の成長が待っています。

与えられた場所で全身全霊をかける

もうひとつ、「与えられた場所で全身全霊をかける」ことも重要です。「大学院で経営の勉強をしてきたのに、こんな仕事やってられない。」「安月給だなあ。時給換算したらバイトと同じだ。」など、不満になることもあるでしょう、気持ちはとてもよく分かります。

でも、そんなことを考える暇があれば、目の前の仕事に集中することをお勧めします。集中力や緊張感が高いほど、スキルは伸びます。目の前の仕事に集中しましょう。それこそが道を拓くチャンスであり近道です。

ただ、昨今、モラハラやパワハラ、カスハラ等で理不尽な状況に置かれているケースもあるかと思います。そんな場所で頑張る必要はありません、できるだけサッサと逃げましょう。

若い頃、エジプト人から教わった言葉があります。「仕事を愛しなさい。そうすれば仕事があなたを手放さなくなるから。」面白いことを言うなぁと思いました。これも本当の話でした。仕事を心から大切に思えば、仕事に大事にされる人生になります。?

目標は1日1日を精一杯

僕には「中長期の目標」はありません。「1日1日、精一杯」、これしかないからです。

5年後、10年後の自分像を描いて邁進するよりも「今日1日ちゃんとやりきったかどうかどうか」を一番大事にしています。「明日でいいか。」「来週でいいか。」という気持ちで毎日を過ごさないように注意しています。

僕は当たり前のことができるまで、本当に時間がかかりました。「今後の目標」なんて立てられる訳が無いというのが、今の僕の正直なところかも知れません。皆さんはいかがでしょうか?

終わりに

最後までお読みいただいてありがとうございます。日頃からあまり文章を書かない人間ですが、仕事の合間に書き留めました。どこまで伝えることができたか分かりませんが、少しでもお読みいただいた方のためになれば幸いです。皆様のご健康と益々のご活躍を祈念しつつ筆を置かせていただきたいと思います。

1998年
スペイン語学科卒
菅野 玲