活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.34/クウェート)
“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第34弾。
元在クウェート日本国大使館派遣員の十倉 悠輔さんをご紹介します
派遣員になるまで
小学生高学年で英語の楽しさを知り、中学生では英語が得意科目となり、高校生の頃から「英語を使って海外で活躍したい」という目標を持ち続けていました。大学入学後は、短期留学や国内外でインターンシップ経験を積みましたが、具体的に何をやりたいのか、なぜ海外にこだわるのかわからないまま、大学三年生に学年が上がったタイミングで、外務省在外公館派遣員の制度を友人の紹介で知りました。「海外で、公的機関で」就労経験が積めること、大学卒業前に様々なスキルを身につけられること、将来やりたいことが見つかる気がして、すぐに受験を決意しました。(緑色のパスポートが欲しいというのも一つの理由でした...。)試験までの1ヶ月半は毎日のように筆記や面接の対策を友人と互いに切磋琢磨し、最終的には同期派遣員として赴任することとなりました。
クウェートという国について
クウェートについて皆さんはどのようなイメージがあるでしょうか。中東地域に位置することから紛争を思い浮かべ、治安が悪く生活しにくいと想像する人は少ないと思います。確かに、クウェート侵攻の跡が残っている島や博物館がある他、稀に降る大雨で不発弾が地面から出て来ることもあるので、間違いではありませんが、クウェートは多くの魅力がある国だということを少し知ってもらいたいです。まず、今皆さんが思うように、中東は「未知の世界」だと思います。つまり裏を返せば、「発見の毎日を過ごせるということ」が魅力の一つです。その次に、「グローバル社会に身を置くこと」も魅力です。特に湾岸地域では様々な外国籍の方が生活をしています。私自身も生活するうちに中東をはじめ、欧米、アジア諸国の方々と関わることができました。そして、魅力として際立っているのが「お?も?て?な?し」の心です。クウェートではディワニーヤと呼ばれる、家族や親戚を中心に週に一度集まり近況報告をする会が開かれます。その場に日本人が紛れていても不思議な顔はせず気さくに話かけ、紅茶やコーヒー、アラブ菓子や料理で最大限のおもてなしをしてもらえます。中東、クウェートの魅力に少しでも興味を持ってもらえたならば非常に嬉しく思います。
派遣員の業務
官房班に所属し、配車、出張者の入出国支援や宿舎留保、営繕、翻訳及び通訳、物資調達出張の調整等の庶務を通常業務としていました。レセプション開催時には、当日の警備や来場者の対応の他に、ケータリング先のホテルとの連絡、会場設営は主担当として進めていました。さらに、広報文化活動として、大使に同行し、ホームページに掲載する写真や記事を作成することも多々あり、クウェートで生活をする人々が日本食や日本文化に対し強い興味を持っていることを知るきっかけとなりました。前述のように様々な業務がある中でも、最も印象的な業務は、中東オマーンへの初めての応援出張です。配属された班は最も大変だと言われる配車班でした。訪問国側との綿密な打ち合わせを重ねていましたが、先方の配慮で、予定していた車の台数や形が当日に急遽変更となり、準備していた配車案が白紙となる経験をしました。時間が迫る中で配車案を再構成する作業は非常に苦労しましたが、迅速且つ正確に対応する経験を積むことができた出張となりました。
在外公館派遣員を目指す皆さんへ
応募の際、私は短期留学先での体験から、アジア圏の公館を希望していましたが、内定のお電話を頂いたのは中東に位置するクウェートでした。正直なところ募集公館にあることすら知りませんでしたが、内定承諾に一切の迷いはありませんでした。それは、いつも久保谷先生が仰っている“Planned Happenstance”であると思い、強いご縁を感じた為です。実際に、クウェートで過ごした2年間では、20カ国を超える国籍の人々や、様々な日本企業の方と多く関わり、公私共に他のどこの公館よりも刺激的で充実した毎日を過ごしていたと自信を持って言い張ることができます。予期しないような国?地域であっても何かのご縁だと思い、挑戦し、自分の力を試し、伸ばし、活かして欲しいと思います。自分にしか語ることができない、新たな発見や体験が待っていると思います。
末筆では御座いますが、在外公館派遣員を目指す皆さんを陰ながら応援しています。
クウェート国(State of Kuwait)
【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:17,818平方キロメートル(四国とほぼ同じ)
2. 人口:475万人(内クウェート人141万人)(2019年 クウェート市民調査局)
3. 首都:クウェート
4. 民族:アラブ人
5. 言語:アラビア語
6. 宗教:イスラム教
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