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活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.72/ベトナム)

元在ベトナム日本国大使館派遣員の梶原 萌音さんをご紹介します

梶原 萌音さん(ベトナム語専攻 4年)

シンチャオ!
2021年?2023年の2年間、在ベトナム日本国大使館で勤務しておりました、ベトナム語専攻4年の梶原萌音です。
なぜ派遣員を目指そうと思ったのか、休学することに抵抗はなかったのか、大使館で何をしていたのか等、この2年間のベトナム派遣員生活をご紹介させていただきます!

きっかけ

2020年の大学2年生が終了した時点で念願のベトナムへ留学しましたが、コロナウイルスの感染拡大により、わずか2ヶ月で緊急帰国となってしまいました。突然目標を失い、やりたいことがまだ完了していない段階での就職活動も考えられず途方に暮れていたとき、偶然にもゼミで派遣員の任期を終え、復学された先輩と出会い、「在外公館派遣員」の制度を知りました。この制度であれば、コロナ禍でも再びベトナムへ行くことが出来ることに加え、大学で学んだことをダイレクトに活かすことが出来る絶好のチャンスであったため、在外公館派遣員制度を知ったその日から久保谷先生のグローカル教養ゼミに参加させていただき、その年の試験でご縁があり、未練たらたらの留学地である、ベトナムの首都ハノイの大使館で勤務することができました。
また、在外公館派遣員制度は留学とは違い、親の力を借りなくても現地で生活するのに十分なお給料が出ることや休暇制度及び保険制度も整っていること、そして何より、お金では買えない出会いや経験が沢山あることを先輩のお話から確信し、親も私自身も何の不安もなく挑戦出来ました。

在ベトナム日本国大使館の派遣員業務内容

本官(日本人)と現地職員が合わせて100名弱の中規模公館だったため、派遣員は2人配置されている公館でした。官房(会計?庶務)班に所属し、主に便宜供与、館員出張関係手配、離着任支援、ドライバーの管理を担当しており、要人の来訪が多いベトナムでは、特に便宜供与がメインの業務であったため、空港業務(出入国支援)、配車業務、宿舎留保など、外部との調整を常に行っていました。
社会人経験の無い私にとっては何もかもが初めての経験であり、着任当初は何が正解か分からないながら必死に食らいついていました。幸いにもロジが多かったので、成功も失敗も全ての経験をすぐに次のロジで活かすことができ、小さな成功体験を重ねることで自然と自信にも繋がりました。
コロナウイルスの影響を受けた一年目と通常に戻った二年目の両方を経験して、現地の文化の理解は教科書では不十分であり、実際に現地の人と触れ合う中で文化や考え方を学び、依頼や交渉は現地のスタイルに合わせながらFace to faceで行うことの重要性を肌で感じました。
また、ベトナム大使館には様々な省庁や民間からの出向者がいらっしゃったため、館内だけでも人生のロールモデルとなるような館員の方が何人もおり、大学生の自分に貢献できることは何か、何を期待されているのかを常に考え行動することで、自分のスキルを最大限に発揮し、更にブラッシュアップが出来ることを、その方々から学びました。

ベトナムの暮らし

東南アジアの中でもトップクラスに親日であり、物価の安いベトナムでの暮らしはとても心地よいものでした。最高に美味しいフォーやバインミーをたらふく食べ、居心地の良いカフェでコーヒーを飲んでも600円程度であり、陶芸をしても、お仕立てをしても、映画を観ても、旅行しても、大体日本価格の三分の一程度の値段で楽しむことが出来るため、プライベートも充実していたと思います。
そして現在、日本の受け入れ技能実習生は国別でベトナムがトップとなっていることもあり、タクシーの運転手や屋台の店主との会話で自分が日本から来たことを伝えると、自分の子供や親戚が日本にいるという話題で盛り上がり、「ありがとう」や「だいすき」と日本語を教えるととても喜んでくれました。お仕事で何度も足を運んだ空港もその空港と市内を繋ぐ橋も日本のODAで作ったものであり、日本の技術や勤勉さはベトナム人にとって好印象であることを感じ、日本人として嬉しく思う機会も多くありました。

最後に

高校生の頃も大学生になってからも、大学在学中に自分がお仕事をすること、ましてや海外で働くとは全く想像していませんでした。言語を習得すると自分の可能性を大きく広げることが出来るということを実感しました。
この2年間の想像を超える出会いや経験は、今の「私」を形成してくれたものであり、一生忘れない宝物です。
社会人経験もなく、右も左も何も分からない大学生を受け入れくれ、業務以外にもマナーや常識を背中で教えてくださった館員の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
ベトナム大使館で学んだ全てのことは今後どこでも通用することであると自負していますし、2年間やりきったことで自信となり、大きな強みになりました。今後も一つ上のレベルへ挑戦することを恐れず、何事も前向きに行動していきたいと思います。

最後までお読みくださいましてありがとうございました!

ベトナム社会主義共和国 Socialist Republic of Viet Nam

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:32万9,241平方キロメートル
2. 人口:約9,946万人
3. 首都:ハノイ
4. 民族:キン族(越人)約86%、他に53の少数民族
5. 言語:ベトナム語
6. 宗教:仏教、カトリック、カオダイ教他