活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.18/東ティモール民主共和国)
“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第18弾。
在東ティモール日本国大使館派遣員の松本梨央さんをご紹介します
自分が遠いと思っていた世界に一歩近づけるチャンス
私が在外公館派遣員を目指した理由はいくつかありますが、その中の一つとして、自分の知らない世界に飛び込んでみたいという冒険心です。KUISの同級生が在学中に長期の留学や休学を通して海外経験を積み、キャリア形成をする姿を見て、私も在学中に何か大きな経験を得たいと思いました。将来は海外と日本を繋げられるような職に就きたいとはいえ、「外交」という世界は私にとってなんだか遠く、雲の上の存在のようでした。しかし、派遣員制度という、自分が遠いと思っていた世界に一歩近づけるチャンスがあるということに心惹かれ、挑戦したくなりました。
とてもやりがいがある貴重な経験
大使館では総務班(官房班兼任)に所属し、出張者の便宜供与、翻訳作業、現地職員の勤務管理や会計業務の補助を担当しています。2018年10月には、東ティモールに河野太郎外務大臣が来訪されました。年間を通して東ティモールへの出張者は少ないのですが、大臣来訪に携わることができ光栄です。私は、大臣ご一行が宿泊されるホテルでの様々な調整や外部から借り上げる車両の手配、また当日のご一行の空港での動きに関して東ティモール外務協力省と連携し調整しました。日本の仕事の進め方は、本番に向けて準備を細かいところまで丁寧に行いますが、東ティモール側は準備が適当なところがあり、本番になればどうにかなるでしょ!のマインドです。印象に残っているのは、大臣がホテルに到着した際、時間の都合上ホテルのマネージャーから大臣への直接のあいさつはお断りしたはずが、当日マネージャーたちは花束とタイス(東ティモールの伝統工芸品)を手にエントランスで待ち構えていました。「打合せしたのに、、、」と思いつつ、用意していただいたせっかくのおもてなしを丁重にお断りしましたが、相手も物凄く悲しそうな顔をしていてとても辛かったのを覚えています。ハプニングは多々ありましたが、終わってみれば全ていい思い出です。とてもやりがいがあり、貴重な経験をさせていただきました。
プライベートは、海辺で
プライベートでは、海に面した土地ということもあり、海辺で何かすることが多いです。在留邦人同士の仲もよく、休日はよくみんなで集まってバーベキューや海水浴、日曜の朝はグラウンドを借りて毎週ソフトボールをやっています。また、最近は退勤後に週2日語学学校に通い、インドネシア語の勉強も始めました。東ティモールは十数年前までインドネシア領だったこともあり、インドネシア語が一部の地域で未だ使われています。馴染みのない文法や語彙に苦しみながらも、いい暇つぶしになっています。テトゥン語(主に使われている現地語)も、大使館の現地職員や仲のいいJICA海外協力隊の方たちからマイペースに学び、久しぶりに語学を一から学ぶ大変さを思い出して初心に帰っています。
最前線に立つ人を多方向から支える
大使館で働いているとはいえ、派遣員の仕事は「外交の最前線に立つ」ことではなく、「最前線に立つ人を多方向から支える」ことです。そのため裏方の仕事がほとんどですが、自分の働きが外交を少しでも支えられているのかなと思うとモチベーションも上がります。社会人経験も無く、思うようにうまくいかず大変なこともよくあります。しかし、自分にはまだまだ人間としての伸びしろがたくさんあるとポジティブに考え、東ティモールの青い空と海、特産品のおいしいコーヒーに日々元気をもらいながら残り約半年の任期を全うしたいと思います。任期が終了したら、大学4年生に戻って就職活動をする予定です。まだ具体的な方向性は見えていませんが、外務省という政府機関に身を置いたので、次は民間企業という場所で、また違った自分の知らない世界を見に行けたらと思います。それまで、自分がこれから進むべき道をしっかり考え、東ティモールでこれからもたくさんのことを学び、胸を張って日本に、そしてKUISに帰りたいです。Semangat!(インドネシア語で頑張ろう!の意)
東ティモール民主共和国(The Democratic Republic of Timor-Leste)
【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:約1万4,900平方キロメートル(首都4都県(東京?千葉?埼玉?神奈川の合計面積)とほぼ同じ大きさ)
2. 人口:約118.3万人(2015年、出典:東ティモール財務省国政調査)
3. 首都:ディリ
4. 民族:テトゥン族等大半がメラネシア系。その他マレー系、中華系等、ポルトガル系を主体とする欧州人及びその混血等
5. 言語:国語は、テトゥン語及びポルトガル語。実用語に、インドネシア語及び英語。その他多数の部族語が使用されている
6. 宗教:キリスト教99.1%(大半がカトリック)、イスラム教0.79%
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